夏涼しく、冬暖かく…。いつでも快適空間をつくってくれるエアコン。豊かな生活に慣れた私たちにとってもはや欠かすことのできない家電です。
でもそのエアコンが実は恐ろしい健康被害をもたらす可能性があるってこと、ご存知でしょうか?
その原因はズバリ「カビ」。
エアコン内部は温度・湿度・ホコリ(カビの栄養)…カビの生えやすい条件が三拍子揃った、カビにとって天国のような空間なんです。だから、たった1〜2ヶ月お掃除をサボっただけでエアコン内部は大変なことに、、。
今回は、エアコン内部に発生するカビが体に及ぼす影響、さらに今すぐできるカビ対策について詳しくご説明します。
最後までしっかり読んでクリーンなエアコンで家族の健康を守りましょう!
エアコンの埃っぽい臭い、その原因はカビ!!
夏、冬のはじめにエアコンを入れたとき、埃っぽい臭いがすることがありませんか?しばらくつけていると気にならなくなる、というか鼻が慣れてしまうのでそのまま放置する方が多いのですが…。
実はそれ、ものすごく危険な兆候。埃っぽい臭いの原因ほとんどの場合「カビ」です。
最初にお話ししたように、エアコン内部はカビ発生の条件が揃った、カビ天国。
私たちもエアコン掃除のご依頼をよく頂くのですが…。内部には想像を絶する光景(カビで真っ黒)が広がっていることがしばしば。それはもう逃げ出したくなるほどです。
ちょっと考えてみてください。カビで真っ黒なエアコン内部を通って出てくる風を吸い続ける…これって恐ろしくないですか?!
エアコンの中にはびこるカビは、さまざまな病気を引き起こす
エアコンから吐き出されるカビをたっぷり含んだ風を吸い続けるとどうなるのでしょうか?ここではカビがどんな病気を引き起こすのか具体的にご紹介します。
※下記病名や症状は一般論です。同症状であってもカビ以外に起因する場合もありますのでご注意ください。
【風邪】
季節の変わり目によく風邪をひくという方、いませんか?自分はひかなくても、「夏風邪をひいた」「冬の初めは体調を崩しやすくて」そんな声を聞くことは多いと思います。
もちろん、気温の変化など様々な要因が考えられますがエアコンから出るカビも大きく影響しています。
<エアコンのカビが原因で風邪をひくメカニズム>
夏や冬のはじめにエアコンを入れる。
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エアコンの中に溜まっていたカビが、冷風or温風とともに室内に排出される。
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カビ、カビの中にある細菌やウィルスを人間が吸い込む。
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免疫力が落ちている場合、風邪をひく。
まず大前提として風邪って寒いからひくわけではないんですよね。風邪は寒さで免疫力が落ちた時に細菌やウィルスに感染して引くんです。
カビの中には風邪の原因となる細菌やウイルスがたくさん隠れています。健康な時には問題なくても、免疫力が落ちているときに吸い込むと風邪をひく可能性が高まります。
特に元々免疫力の弱いお子さんやお年寄りがいるご家庭では注意が必要です。
【夏型過敏性肺炎】
夏型過敏性肺炎の原因は、高温多湿で活発になるトリコスポロンというカビ。
いうまでもなく、このカビはエアコンから吐き出される風の中に潜んでいます。発症するメカニズムは風邪とほぼ同じです。
症状は風邪とよく似ていますが、きちんと治療しないと夏ごとに症状を繰り返し、次第に悪化していきます。
夏型過敏性肺炎の場合、カビが発生している場所(=家や職場)にいるときのみ症状が出るという特徴があるので、特定の場所で具合が悪くなるようなら注意してください。早めに病院へ行きましょう。
【さまざまなアレルギー】
カビを吸い続けるとさまざまなアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
くしゃみ、咳、鼻水…。病名でいうとアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性気管支炎などです。
上記これでもほんの一例にすぎません。エアコンの中に発生するカビがどれだけ危険かわかりますよね。
今日からできる、エアコン内部のカビ対策
エアコン内部に生えるカビの恐ろしさについて良くお分かりいただけたところで、ではどうやってこうしたカビから逃れるか、のお話をしたいと思います。
カビは一旦生えてしまうと根絶するのはものすごく大変。だからこそまずカビが生えないように予防することが大切なんです。
主な予防法は5つあります。併せてお掃除方法もご紹介しますのでしっかり読んでくださいね。
1.定期的にフィルターを掃除してホコリをためない
フィルターにたまるホコリはカビの栄養!できれば月2回の頻度でお掃除しましょう。
エアコンのフィルター掃除の手順
①エアコンの電源を抜く
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②フィルターを外す前に、エアコンの外側に掃除機をかける。
フィルターを外した時に、ホコリがぶわぁっと降ってくる事態を防げます。
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③フィルターを取り外す。
機種によって取り外し方が違うので取扱説明書を読みましょう。
↓
④取り外したフィルターの外側に掃除機をかける。
ホコリはフィルターの外側についています。掃除機をかける場合は必ず外側からかけましょう。内側からかけると目詰まりの原因に!
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⑤2回に1回(つまり1ヶ月に1回程度)は水でしっかり洗い流しましょう。
汚れがひどい場合は古い歯ブラシ等で優しく擦り洗いします。台所洗剤(中性洗剤)を使うのもオススメです。ただし!フィルターはものすごく繊細で壊れやすいので、力の入れ具合には細心の注意を払いましょう。
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⑥濡れたフィルターを完全に乾かし、元に戻す。
水洗いした場合は必ず完璧に乾かしましょう。少しでも濡れたままで戻すとエアコン内部に湿気が発生し、カビの原因に。
フィルター掃除のついでにやっておきたいお掃除
◯エアコンのルーバー
エアコンの吹き出し口についている、風向きを調整するバーのようなものです。ここから風が出ますからね、しっかり拭きましょう
◯エアコン内部
フィルターやルーバーの奥も手の届く範囲で拭きあげましょう。
手の届かない部分は市販のエアコンクリーナーを使うという方法もありますが、ひどい汚れの場合には正直焼け石に水です。さらにクリーナー液がエアコンの電子部品にかかると故障の原因にもなります。
手の届かない内部にあるファンやフィン(熱交換器)も最もカビが生えやすい部分ですが、お掃除で下手に傷つけてしまうと取り返しのつかない自体にもなりかねませんので、できればプロの業者に頼む方が良いでしょう。
2. エアコン内部をなるべく乾燥させる
冷房やドライ運転を使った後はエアコン内部に結露が生じ、ジメジメに。このジメジメがカビが生えやすい環境となります。
ですので、冷房やドライ運転後は日常的に【送風運転】を1〜2時間行って内部を乾燥させるとよいでしょう。
3. 定期的にエアコンを掃除する
1.で少しご紹介したエアコン内部のお掃除ですが、年に1度はプロにお願いする方が良いです。
ただし、プロといっても作業の質は業者によってさまざま。激安をうたっている業者は最初から作業時間を決めている場合がほとんどで、どんなに内部が汚れていようと、1時間、2時間と決められた時間になると帰ってしまうケースが多いです。
作業料金を激安にするには短時間で回数をこなさないと儲けがでませんからね。ひどいところになると、市販のエアコンクリーナーをかけておしまい、なんてところもありますのでお気をつけください。
実際はエアコンのカビや汚れを徹底的にきれいにしようと思えば(程度にもよるのですが)、半日以上かかることもざら。分解して、磨いて…実はエアコン内部の掃除は恐ろしく重労働なのです。
カデンのエトウでは、やると決めたら手を抜かずに徹底的にやる!がモットーですので、エアコンの掃除をご希望の場合は「うちのエアコン、やばいんですけど!」と気軽にお電話ください。
4.エアコンについているお掃除・乾燥機能をフル活用してカビの発生を抑える
上記はご自分で掃除する場合の方法ですが、実はエアコンにはお掃除機能が搭載されているものもたくさんあります。どのような機能なのかご紹介しましょう。
エアコンのスイッチを切ったのに、風が出ていたり、ピカッと光っていたり…不思議に思ったことはありませんか?
それ、自動でお掃除するために動いているんです。「スイッチを切ったのに、エアコンが動いている!」とびっくりして電源を落としてしまう方もいますが…。絶対にやめましょう(笑)。
自動お掃除機能の種類と注意点
①フィルターを自動で掃除する
②熱交換器など内部まで自動で掃除する
③内部を自動で乾燥させる
②③は上位機種(値段もそこそこします)にのみ搭載されている場合が多いです。
便利な自動お掃除機能ですが「①フィルターの自動お掃除機能」については少し注意が必要です。
まず、フィルターからとったホコリはダストボックス(機種によって名前が違う場合もあります)に運ばれるので、このダストボックスの掃除は定期的に行わなくてはいけません。
さらに、フィルターのホコリは自動では取りきれない場合も多いです。ですのでやはりフィルターも定期的にチェックは行ってください。
また、②③のような機能のついた内部までお掃除してくれる上位機種であっても、数年に一度はやはりプロの手による内部掃除をした方が良いでしょう。
内部掃除機能がある機種と内部掃除機能がないエアコンと比べれば汚れの差は雲泥の差で、汚れにくいのは間違いありませんが、カビは一度発生するとあっという間に増殖してしまいます。念には念を入れておきましょう。
ともかく「自動お掃除機能が付いているから、自分では何もしなくてOK♪」はダメってことです。
取扱説明書を鵜呑みにするのは危険!?
自動お掃除機能が搭載されているエアコン。機種によっては「10年間お掃除不要!」みたいにちょっと過剰に書いているものもありますが、これ、大きな声では言えませんが鵜呑みにするのは危険です。
なぜかというと、エアコンは使う場所や頻度によっても汚れ具合は変わるからです。エアコン個々の環境をしっかりと把握した上で対応しましょう。そうすることでエアコン寿命も変わってきますよ。
この辺りは、やはり専門知識をもった購入店やカデンのエトウに相談してください。
「こう書いていますが、こうした方が良いですよ〜」と、どうやったら長い間快適に使えるのか、一番良い方法を詳しくアドバイスさせていただきます。
古いエアコンは買い換えた方が、あらゆる面でよいかも
昔ながらの古いタイプのエアコンを使っていて、掃除もあまりしてこなかった…という方に一番オススメしたいのは、やはり新しいものに買い換えること。
「えー!!」という抗議の声が聞こえてきそうですね。でもこれ、ご家族の健康、ご家庭のお財布…全ての面から考えてベストな選択だと思うんです。
それに正直、今までお掃除をサボってきた古いエアコンの内部の汚れは悲惨です。今更いくらこまめにお掃除しても残念ながら手遅れである場合がほとんど...。一定期間ごと、小まめに業者に頼む手もありますが、それこそお金がいくらあっても足りませんよね。
エアコンを買い換えることでのメリット
◯多様な機能があるので、手軽に健康・快適生活が送れる
前述したように、最新のエアコンは内部乾燥機能、自動お掃機能などを搭載し、カビの発生をとことん抑えています。
もちろん、放置して良いわけではありませんが、たまのチェックで恐ろしい“エアコンのカビ”と縁を切ることができるのです。
また、センサーで人を認識して効果的に温めるor冷やす機能や、前述した再熱除湿機能など室内で快適に生活するための便利な機能が満載です。
「いやーエアコンってここまで進化しているのか!」と、一昔前に比べてこうした機能・性能の進化にきっと驚くはず。お店で説明をうけるだけでも楽しくなりますよ。
◯圧倒的に省エネ=電気代が安くなる
最新のエアコンは昔に比べると性能が格段に上がっています。今お使いのエアコンがいつ頃のものかにもよりますが、圧倒的に省エネである可能性が高いです。つまり、電気代の節約になります。
買い換える際に押さえておきたい3つの機能
せっかく買い換えるなら、下記の3つの機能を搭載しているものにしましょう。正直、安い機種にはついていない機能もあります。でも、長い目で見ると絶対に後悔しない選択です。
①内部乾燥機能
②お掃除機能(できれば内部まで掃除してくれるもの)
③再熱除湿機能
①②はカビの発生を抑え、エアコンのトラブルを防ぎ、家電寿命を伸ばしてくれます。③も健康・快適生活には欠かせません。
ふぅ、今回はちょっと長くなってしまいました...。でも絶対役に立つ情報だと思うのでしっかり頭に入れてくれると嬉しいです。
まとめ
今回はエアコンと健康の深い関係についてお話ししました。
まず、エアコンの内部はカビ天国であるということを覚えておかなければいけません。そしてそのカビの中には様々な病気を誘発するウィルスや細菌が隠れています。
エアコンから吹き出す風と一緒にそんなカビを吸ってしまうと…
・風邪
・夏型過敏性肺炎
・さまざまなアレルギー
ほんの一例ですが、このような病気にかかってしまう恐れがあります。恐ろしいですね。
特に免疫力が弱っているときはカビの中にいるウィルスや細菌に負けやすいので注意が必要です。元々免疫力の低い赤ちゃんやお年寄りがいるご家庭はより気をつけてあげてください。
一旦カビが生えてしまうと退治するのは超大変。まずは下記を実践してカビを生やさないよう、しっかり対策しましょう。
①エアコンのフィルター掃除は1ヶ月に2回。うち1回は水洗いまでする。
フィルターにたまるホコリはカビの栄養になります。
②送風運転を活用してエアコン内部を乾燥させる。
ジメジメした湿気はカビの元!
③定期的に内部を掃除する。
1年に1度はプロに頼んできっちり内部まで掃除しましょう。
フィルターのお掃除方法は①の本文でしっかり書いていますので、さかのぼってよく読んでくださいね。
また、最近のエアコンには自動お掃除機能や内部乾燥機能が搭載されていることもお伝えしました。省エネですし、最終的には「買い換えること」も有意義な選択肢の一つだと思います。
カビの恐ろしさについて色々ご説明してきましたが「エアコンの中が実はカビだらけ」と聞いてもなかなか実感が湧かないという方も多いと思います。もし機会があれば、ぜひプロのエアコン掃除に立ち会ってみてください。
エアコン内部に隙間なくびっしりはびこるカビを見たらもう一発、一発でカビの恐ろしさが骨身にしみると思います。
その惨状を見た人は間違いなく、どんなズボラな人でも超真面目にお掃除するようになるんですよ(笑)