夏の就寝時…エアコンの設定、どうしていますか?
よく聞くのが「ドライ運転にしています」という答え。「冷えすぎないように」「冷房だとか風邪をひきそう」そんな理由が多いですね。
ズバリいいます。それまるっと間違っています!といいますか、真実は正反対。就寝時の【ドライ運転】は “冷えすぎ” “風邪をひく” 大きな原因になります。
エアコンのドライ運転で風邪をひく基本的な流れはこんな感じです。
ドライモードの風は実は冷房の風より冷たい。
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眠っている間にその風で体が冷えて免疫力が落ちる。
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免疫力が落ちたときにエアコンが吐き出すカビを吸い込む=風邪をひく。
(最終的にやっぱりカビが関係しています。カビと健康について詳しくは「エアコンのカビが健康を脅かす!今すぐできるカビ対策」をご確認ください。)
ではドライ運転と風邪の関係、詳しく説明していきましょう。
ドライ運転は、冷房より冷たい風が出る
エアコンのドライ運転は湿気だけを取って、冷やさないと思っていませんか?
ドライ運転の別名は【弱冷房除湿】。実は冷房と同じで、弱いながらも冷たい風が出ています。しかもその風、冷房よりずっと冷たいんです。
なぜ冷房より冷たい風が出るのかというと…。それは「エアコンが冷たい風を出す仕組み」が関係しています。
エアコンは部屋を冷やす際、室内の温かい空気を吸い込んで「熱交換器」と呼ばれる場所でその空気の熱を奪い、熱がなくなって冷えた空気を再び室内に吐き出しています。
これを頭に置いて、下記の「冷房で部屋が冷える流れ」「ドライ運転で部屋が冷える流れ」を読んでみてください。
なぜドライ運転の方が冷たい風が出るのか、よくわかると思います。
冷房で部屋が冷える仕組み
部屋を早く冷やすために、室内の空気を強く、たくさん吸い込む。
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室内の空気を強く、たくさん吸い込むので、エアコン内部の「熱交換器」を通過するスピードが早くなり、「熱交換器」に滞在する時間が短くなる。結果、熱があまり奪われない。
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吐き出す空気の温度はそこまで低くない。しかし、一度に強く、たくさん吐き出すので室内が早く冷える。
ドライ運転で部屋が冷える仕組み
部屋を早く冷やす必要がないため、室内の空気を弱く吸い込む。
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室内の空気を弱く吸い込むので、エアコン内部の「熱交換器」を通過するスピードが遅くなり、「熱交換器」に滞在する時間が長くなる。結果、熱がたくさん奪われる。
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吐き出す空気の温度はかなり低い。しかし、弱く少量ずつ吐き出すので室内がゆっくり冷える
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ゆっくりではあるが、冷たい空気が出ているので、長時間付けっ放しにすると部屋の温度はかなり下がる。
室内の温度が下がりすぎると、体が冷え免疫力が低下したところに、エアコンが吐き出すカビに負けて風邪をひく
部屋の温度が下がり過ぎた場合、起きていれば「あれ、寒いぞ」と調整を行いますが、就寝時は当然のことながら気づきません・・・。
寒すぎる部屋で無防備な体はどんどん冷えていきます。怖いのは体が冷え体温が下がると、免疫力も低下してしまうということ。弱った体でエアコンから吐き出されるカビを吸い続けるとどうなるのか…。
はい、いうまでもありませんね。結局カビに含まれているウィルスや細菌に負け、風邪をひくのです。
就寝時だけでなく「赤ちゃんが寝ている部屋は常にドライ運転」なんて話もよく聞きますが、、これとんでもないことです!!免疫力の弱い赤ちゃんの部屋をドライ運転にするなんて「風邪をひいてください」と言っているようなものです。
ドライ運転は基本的に短時間の使用が鉄則、と覚えておきましょう。
再熱除湿なら就寝時も安心
ただし、最近のちょっとランクが上のエアコンには「再熱除湿」機能が搭載されているものがあります。
これは読んで字のごとく冷やした空気を室内に送り込む前に再び熱する(温める)機能です。室内を冷やさず、湿気だけをとってくれるので、就寝時や肌寒いけど湿気が多い梅雨時期に大活躍してくれます。