皆さんは掃除機を選ぶ際、何を基準にしていますか?
多くの方が「吸引力」を参考にしているのではないでしょうか?吸引力はカタログに「強力700w!」等と大々的に記載され、商品のアピールポイントになっていますよね。数字で表現されているので比較もしやすいですし、同じ価格で500wと700wの掃除機があれば、当然「吸引力」が高い700wを選ぶでしょう。
でもこれが落とし穴。「吸引力」=掃除機の性能の全てではないのです。掃除機の性能は、「吸引力」よりもヘッド部分に付いている「ブラシ」の“ゴミを掻き出す力”に左右されます。ヘッド部分の「ブラシ」は、タイプによって性能が異なるので、“どんなタイプで、どのくらい性能があるのか”を購入前にしっかりチェックする必要があります。
今回は掃除機の「ブラシ」のタイプと特徴、さらにそのお手入れ方法を詳しく解説したいと思います!
人気の「コードレスハンディークリーナー」「お掃除ロボット」もご紹介しているので、掃除機を選ぶ際の参考にしてください!
掃除機の性能を左右する、ブラシの種類と特徴
掃除機のブラシには大きく分けて3つのタイプがあります。
①パワーブラシ
ヘッドに内蔵された小型モーターの力でブラシを回すタイプ。
非常にパワーが強く、毛足の長いカーペットの奥に入り込んだゴミや絡みついた髪の毛・糸くずまでしっかり掻き出してくれます。
「自走式ヘッド」はパワーブラシの中でも特に強力!「自走式ヘッド」は通常のパワーブラシよりも強力なモーターを内蔵しており、ブラシの回転力だけで前へ進みます。
ゴミを掻き出すパワーが強力なだけでなく、自動で前に進んでくれるので操作が軽くて楽なのも嬉しいポイント。ただし、方向転換する際は少し力が必要です。
また、「自走式ヘッド」は高級機種に搭載されていることが多いため、必然的に値段は高くなる傾向にあります。
パワーブラシの注意点
パワーブラシはもともとカーペット用に開発されたものなので、フローリングや畳には使えない機種もありますが、最近はフローリング、畳共に使用OKのパワーブラシが増えていますので、購入の際はよく確認しましょう。
【パワーブラシの特徴まとめ】
- 掃除機のヘッドに内蔵されたモーターの力でブラシが回転する
- 値段が少し高い
- パワーが強力
- パワーブラシの中でも特に強力なのが自走式ヘッド
- カーペット向け(畳、フローリングOKのタイプもある)
②タービンブラシ
タービンブラシは見た目パワーブラシと似ていますが、ヘッドにはモーターが内蔵されていません。掃除機がゴミを吸い上げるときに生じる空気の力で回ります。ヘッドにモーターが内蔵されていないのでヘッドが軽く、金額も比較的安いのが特徴です。
ただし、パワーブラシに比べるとパワーが劣り、ゴミを掻き出すために強力なパワーを必要とするカーペットの掃除には向きません。フローリングや畳向きです。
【タービンブラシ・特徴まとめ】
- ゴミを吸い上げる空気の力でモーターを回転させる
- ヘッドが軽く、操作しやすい
- 値段が安め
- パワーブラシよりパワーが劣る
- カーペット類の掃除には向かない
- フローリングや畳向け
③床ブラシ
おばあちゃんの家にあるような、うん十年ものの掃除機は大抵このタイプ。吸い込み口には一応、ブラシのような毛が付いていますが回転しません。ほうきのようなイメージです。
床ブラシにはゴミを引っ掛ける程度の効果しかないため、重たいゴミやカーペットの毛に絡んでいる糸くずなどを取ることはできません。
圧倒的に値段が安いのがポイントですが、長い目で見れば、今あえてこのタイプを選ぶ必要はないでしょう。
【床ブラシ・特徴まとめ】
- 値段が圧倒的に安い
- パワーがものすごく弱い
ブラシの種類と性能、ご理解いただけたでしょうか?
正直③の床ブラシタイプはお勧めしません。ゴミを掻き出す力がほとんどないからです。モーターの力であれ、空気の力であれ、“ブラシが回るタイプ”を選ぶようにしましょう。ちなみに今の主流は①のパワーヘッドです。カーペット、フローリング、畳全てに対応している機種がお勧めです。
パワーブラシ、タービンブラシのお手入れ方法
強力な回転ブラシが付いていても、うまく回らなければゴミを掻き出すパワーは激減します。こうしたブラシがうまく回らない原因のほとんどが“ブラシに絡んだゴミ”。自分でお掃除できるので、定期的にチェックして“宝のもちぐされ”にならないようにしましょう。
下記は一例です。メーカーによって取り外し方やお手入れ方法が異なるので、必ず説明書を読んでから行いましょう。
- ブラシのロックを解除し、取り外す。
↓ - ブラシに絡みついたゴミをピンセットやハサミなどを使い取り除く。ブラシを取り外した後の溝に残ったゴミも同じくピンセットなどで丁寧に取る。
↓ - 汚れがひどい場合は、ブラシを水洗いする。水洗いした場合は必ずしっかりと乾燥させる(水洗い不可の機種もある)。
掃除機本体は薄めたアルコール系・塩素系の洗剤を含ませたタオルで拭くと雑菌が繁殖しにくくなります(機種によっては塩素系NGなどもあるので説明書を確認してください)。
定期的にブラシのお掃除をすると、ゴミを掻き出す強力なパワーを保つことができ、掃除機自体の寿命も伸びるので「面倒くさいなぁ」と思わずに頑張りましょう。
コードレスハンディークリーナーとロボット掃除機について
最近よく聞かれるのが今人気の【コードレスハンディークリーナー】と【お掃除ロボット】の性能についてです。「欲しいなぁ」と考えてはいるものの「本当にきれいになるのかなぁ」と不安な方々が多いんですね。
ではこの人気の2タイプについて、簡単にご紹介しておきましょう。
コードレスハンディークリーナー
コードレスハンディークリーナーは、軽くて小回りがきいて使い勝手抜群。人気商品もたくさん出ています。
しかしコードレス(コードがない)タイプは、コード式(コードがある)に比べると圧倒的にパワーが劣るのが特徴です。さらに本体を軽くするために、昔ながらの“床ブラシ”を採用しているものがほとんど。
正直、一家に一台のメイン掃除機としてはお勧めできません。それでも持つなら、メイン掃除機を用意した上で、“小回りのきく2台目”として活用することをおすすめします。
【キレイ好き】かつ【生活空間が狭い】人はコードレスハンディークリーナーをメイン掃除機にしてもいいかもしれません。一人暮らし用のアパートなど狭い空間をこまめに掃除すれば汚れもたまりませんから、パワーが弱くても十分対応できるはずです。
【コードレスハンディークリーナーの特徴】
- コード式に比べると圧倒的にパワーが弱い
- 回転しない床ブラシを採用している場合が多い(ゴミを掻き出せない)
- 軽く、手軽に使用できる。
最近ダイソンのコードレスハンディークリーナーが爆発的に売れていますが、基本的な特徴は上記と同じです。いくらダイソンであっても、パワーの面から考えればコード式の掃除機には絶対にかないません。人気に惑わされないように気をつけましょう。
ロボット掃除機
ロボット掃除機も人気ですよね。自動でお掃除してくれるし、可愛いし、一見なんの問題もないように見えますね。
しかしロボット掃除機の性能は、使う環境によって大きく左右されるってご存知ですか?
【ロボット掃除機に向いている家】
- 広い
- 物が少ない
※ロボット掃除機が自由に動ける広いスペースが必要です
※物がたくさんあると、ロボット掃除機の動きが阻害されます
つまり、モデルルームのような広くてきれいで生活感のない家に向いています。仕切りの多い一般家庭ではなかなかありませんよね。私の家も無理です(笑)。
結局「ロボット掃除機をどううまく動かすか」を考えていると「自分で掃除した方が早い!」となってしまい、購入したものの時間経過とともに「今は使っていない」という人がかなりいるというのが実際のところです。
個人的には、ロボット掃除機は【部屋をキレイにするために使う】というより【ワクワクする、可愛さを楽しむための家電】と割り切って使う方がベストなのではないかと考えます。
ただもちろん、多少でも動けるスペースがあれば、ペットの毛を取ってくれたり、ホコリを取ってくれたり、そこそこの働きはしてくれますよ。
まとめ
今回は掃除機の性能についてご紹介しました。
掃除機がゴミを取るパワーを左右するのは、【吸引力】より【ブラシの掻き出す力】ということがお分かりいただけたと思います。
掃除機を購入する際は、「吸引力000w!」という数字に惑わされず、どんなブラシを備えているのかをしっかり確認するようにしましょう。
ブラシの主なタイプは以下の3つ。
- モーターで回るパワーブラシ
- ゴミを吸い上げる空気の力で回るタービンブラシ
- 回転しない床ブラシ
一押しは断然①です。少々お値段は張りますが、性能を考えたとき、一番後悔のない選択だと思います。
また、今人気のコードレスハンディークリーナーやお掃除ロボットについてもご説明しましたが、一家に一台のメイン掃除機にするには、性能、パワー共にちょっと厳しい感じでしたね。
いずれにせよ、値段や流行に流されず、自分の家の環境に一番あった掃除機を選ぶようにしましょう。